アモルファス強度ワイヤは高強度・高耐食性に優れた高機能材料です。加工特性・耐屈曲性にも優れるため、様々な強度材用途で使用されています。
■ 特長
アモルファス強度ワイヤは、ピアノ線と同等レベルの高強度性能を示し、かつSUS304と同等の耐食性や優れた耐屈曲性能を有しています。これら優れた機械特性を活かし、炭素材などの補強材や高い屈曲耐性が要求される分野で応用されています。 アモルファス強度ワイヤの形状は、円断面ワイヤでは20μm、50μm、100μm径を、また扁平断面ワイヤは20μm厚×250μm幅を標準としています。その他の仕様に関するご相談は、個別に応じております。
■ 主な用途
OA機器分野やATMなどの静電気除去ブラシ用ワイヤ(撚線)
ゴルフシャフト、釣竿などのカーボン素材などの補強材
ワイヤソー、ピンニングワイヤなどの強度材用途
その他補強材(織物)
■ 材料技術
1.アモルファスとは?
アモルファスとは日本語で非晶貨という意味で、規則正しい結晶構造を持たない個体の状態をいいます(下図参照)。
結晶 | アモルファス |
2.製造方法
当社では、回転液中紡糸法により円断面のアモルファスワイヤを、単ロール法により扁平断面のアモルファスワイヤを生産しています。その基本組成は、磁性ワイヤは「CoFeSiB」系、強度ワイヤは「CoFeCrSiB」系です。
1)回転液中紡糸法とは?
回転ドラム内面に遠心力により液体層を形成し、その液体層に向けて加熱溶融された金属(溶融金属)を吹き出します。その後、溶融金属は結晶化する前に液体層によって急冷固化され、アモルファスワイヤを得ることが出来ます。
2)単ロール法とは?
冷却された回転ドラムの表面に向け、加熱溶融された金属(溶融金属)を吹き出します。回転ドラム表面に衝突させて急冷させることにより扁平断面のアモルファスワイヤを得ています。